行政書士法 圧縮理解ノート

行政書士試験用。業務範囲・登録・義務・法人・懲戒・会・罰則を条文から抜け漏れなく整理する。

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0. この法律の読み方

行政書士法は、行政書士という資格者について、何を使命とし、誰がなれ、何を業としてでき、どんな義務を負い、誰が監督するかを定める職業法である。

使命・職責
国民の権利利益の実現、品位、公正誠実、デジタル対応
参照: 1条1条の2
業務範囲
書類作成、提出手続代理、許認可手続、相談、特定行政書士
参照: 1条の31条の4
資格・登録
資格、欠格、試験、名簿登録、取消し、抹消、特定行政書士付記
参照: 2条2条の26-7条の4
義務・監督
事務所、帳簿、信用、報酬掲示、応諾、秘密、研修、懲戒
参照: 8-14条の5
組織・規制
行政書士法人、行政書士会、連合会、業務独占、名称制限、罰則
参照: 13条の3以下15条以下19条以下
試験で落とされる視点: 行政書士の業務は広いが無制限ではない。他の法律で制限される業務、弁護士法72条に触れる法律事件、特定行政書士だけができる不服申立代理、行政書士法人ではできない・条件付きでしかできない業務を分ける。

1. 近時改正ポイント

手元の最新条文では、令和7年法律65号による改正が置かれ、令和8年1月1日から施行されている。試験では、細かい附則よりも行政書士の存在理由と職責が明文化・整理されたことを押さえる。

改正点今の条文で読む内容試験での押さえ方参照
S 使命
  • 行政に関する手続の円滑な実施に寄与する。 1条
  • 国民の利便に資する。 1条
  • 国民の権利利益の実現に資する。 1条
  • 単なる代書業ではなく、行政手続と国民の権利利益をつなぐ資格者として位置づける。 1条
  • 理念条文だが、職責・懲戒・信用失墜禁止の理解の土台になる。 1条、1条の2、10条、14条
1条附則
S 職責
  • 品位を保持する。 1条の2第1項
  • 法令及び実務に精通する。 1条の2第1項
  • 公正かつ誠実に業務を行う。 1条の2第1項
  • 「信用又は品位」「職責に照らし適格性を欠く」といった登録拒否・懲戒の評価語とつながる。 6条の2第2項、14条
  • 行政書士の義務条文を読む前提になる。 8-13条の2
1条の2第1項
A デジタル対応
  • デジタル社会の進展を踏まえる。 1条の2第2項
  • 情報通信技術の活用等を通じて、国民の利便向上と業務改善進歩を図るよう努める。 1条の2第2項
  • 努力義務として読む。 1条の2第2項
  • 電磁的記録の作成、電子化された行政手続、研修・業務改善の方向性と結びつける。 1条の2第2項、1条の3、13条の2
1条の2第2項
暗記の核: 1条は「外向きの使命」、1条の2は「内向きの職責」。行政書士は、国民の権利利益の実現に資するため、品位・専門性・公正誠実・デジタル対応を求められる。
重要条文の骨格

1条: 行政書士は、その業務を通じて、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを使命とする。

1条の2第1項: 行政書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。

1条の2第2項: 行政書士は、デジタル社会の進展を踏まえ、情報通信技術の活用その他の取組を通じて、国民の利便の向上及び業務の改善進歩を図るよう努めなければならない。

2. 最重要: 業務範囲を一枚で理解

行政書士法の中心は「行政書士は何ができるか」。条文は1条の3と1条の4に分かれる。

重要条文の骨格

1条の3第1項: 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(電磁的記録を含む)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む)を作成することを業とする。

1条の3第2項: その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

1条の4第1項: 前条業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、提出手続代理、許認可等に関する意見陳述手続代理、不服申立代理、契約書等の代理作成、書類作成相談を業とすることができる。ただし、他の法律で制限される事項は除く。

1条の4第2項: 不服申立代理は、研修課程を修了した行政書士(特定行政書士)に限り、行うことができる。

2-1. 業務可否の判定フロー

1 依頼・報酬・業か 他人の依頼を受け、報酬を得て、反復継続する業務か。 業務独占との接点
2 書類の種類 官公署提出、権利義務、事実証明の書類か。電磁的記録も含む。 参照: 1条の3
3 他法制限 弁護士法72条や他士業法で制限される業務ではないか。 ここで上限がかかる
4 作成・代理・相談 作成、提出手続代理、許認可手続、代理作成、相談に進む。 参照: 1条の3、1条の4
5 不服申立代理 不服申立代理なら、特定行政書士かを確認する。 参照: 1条の4第2項
6 特定業務なら可 研修修了・付記がある特定行政書士だけが扱える。 参照: 7条の3
7 非行政書士の制限 非行政書士は、報酬を得て業として1条の3業務を行えない。 参照: 19条
8 例外確認 他法に別段の定め、または定型的・容易な電磁的記録作成の例外を確認する。 参照: 19条1項ただし書
分類できること条件・限界参照
S 書類作成業務
  • 他人の依頼を受ける。 1条の3第1項
  • 報酬を得る。 1条の3第1項
  • 官公署提出書類、権利義務書類、事実証明書類を作成する。 1条の3第1項
  • 電磁的記録の作成も含む。 1条の3第1項
  • 他の法律で制限されるものはできない。 1条の3第2項
  • 実地調査に基づく図面類も事実証明書類に含まれる。 1条の3第1項
1条の3
S 提出手続代理
  • 作成できる官公署提出書類を官公署へ提出する手続を代理する。 1条の4第1項1号
  • 許認可等に関する聴聞・弁明などの意見陳述手続で官公署に対して行為できる。 1条の4第1項1号
  • 弁護士法72条の法律事件に関する法律事務は除かれる。 1条の4第1項柱書
  • 他の法律で制限される事項はできない。 1条の4第1項柱書
1条の4第1項1号
S 不服申立代理
  • 許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等を代理する。 1条の4第1項2号
  • 不服申立手続で官公署提出書類を作成する。 1条の4第1項2号
  • 特定行政書士だけができる。 1条の4第2項
  • 対象は行政書士が作成できる官公署提出書類に係る許認可等。 1条の4第1項2号
1条の4第1項2号1条の4第2項
A 契約書等代理作成
  • 作成できる契約その他に関する書類を、代理人として作成する。 1条の4第1項3号
  • 法律事件に関する法律事務など他法制限に注意。 1条の4第1項柱書
1条の4第1項3号
A 相談業務
  • 作成できる書類の作成について相談に応じる。 1条の4第1項4号
  • 相談なら何でもよいわけではなく、作成できる書類の作成相談に結びつく。 1条の4第1項4号
1条の4第1項4号
B 使用人としての従事
  • 行政書士が他の行政書士または行政書士法人の使用人として業務に従事することは妨げられない。 1条の5
  • 独立開業だけが業務形態ではない。 1条の5
1条の5
一言整理: 1条の3は「作成」。1条の4は「提出・許認可手続・不服申立・代理作成・相談」。ただし、他士業法や弁護士法72条が上限になる。

3. 資格・欠格・登録フロー

行政書士は、資格があるだけでは業務を始められない。資格あり、欠格なし、登録申請、連合会の登録まで進んで初めて行政書士になる。

重要条文の骨格

2条: 次のいずれかに該当する者は、行政書士となる資格を有する。行政書士試験合格者、弁護士となる資格を有する者、弁理士となる資格を有する者、公認会計士となる資格を有する者、税理士となる資格を有する者、一定年数の行政事務経験者。

2条の2: 欠格事由に該当する者は、2条の規定にかかわらず、行政書士となる資格を有しない。

6条: 行政書士となるには、行政書士名簿に登録を受けなければならない。名簿は日本行政書士会連合会に備え、登録は連合会が行う。

6条の2第1項: 登録を受けようとする者は、資格証明書類を添えて、事務所所在地の都道府県の行政書士会を経由し、日本行政書士会連合会に申請しなければならない。

6条の2第2項: 連合会は、資格があり、かつ拒否事由に当たらないと認めたときは登録し、資格がない又は拒否事由に当たると認めたときは登録を拒否しなければならない。拒否は資格審査会の議決に基づく。

6条の3: 登録拒否に不服がある者、又は申請から3か月経過しても処分がない者は、総務大臣に審査請求できる。

1 資格の入口 行政書士となる資格があるかを確認する。 参照: 2条
2 欠格確認 欠格事由に当たる者は、そもそも行政書士となる資格を持てない。 参照: 2条の2
3 登録申請 申請者が、事務所所在地の都道府県の行政書士会を経由して、連合会へ申請する。 参照: 6条の2第1項
4 連合会が審査 日本行政書士会連合会が資格・拒否事由を判断する。 参照: 6条、6条の2
5 登録される 行政書士名簿に登録され、行政書士証票が交付される。 参照: 6条、6条の2第5項
6 所属会に入会 登録と同時に、事務所所在地の行政書士会の会員になる。 参照: 16条の5
拒否ルート 拒否には資格審査会の議決、弁明機会、理由付き書面通知が必要。 参照: 6条の2、18条の4
不服申立て 拒否または3か月不処分なら、総務大臣に審査請求できる。 参照: 6条の3

3-1. 資格の入口

ルート内容試験での見方
S 試験合格
  • 行政書士試験に合格した者。 2条1号
最も基本の資格ルート。 2条1号
A 他士業資格
  • 弁護士となる資格を有する者。 2条2号
  • 弁理士となる資格を有する者。 2条3号
  • 公認会計士となる資格を有する者。 2条4号
  • 税理士となる資格を有する者。 2条5号
「登録済み」ではなく「となる資格を有する者」という表現に注意。 2条2号-5号
A 行政事務経験
  • 国・地方公共団体の公務員等として行政事務に相当する事務に従事した者。 2条6号
  • 原則20年以上。 2条6号
  • 高校卒業等の場合は17年以上。 2条6号
年数差が問われやすい。経験があっても登録手続は必要。 2条6号、6条

3-2. 欠格事由と登録拒否は別物

分類何を否定するか主な内容参照
S 欠格事由 行政書士となる資格そのものを否定する。 2条の2
  • 未成年者。 2条の2
  • 復権を得ない破産者。 2条の2
  • 拘禁刑以上の刑の執行終了等から3年未経過。 2条の2
  • 公務員の懲戒免職から3年未経過。 2条の2
  • 行政書士の登録取消し・業務禁止から3年未経過。 2条の2
  • 他士業の除名、登録抹消、業務禁止、失格処分等から3年未経過。 2条の2
2条の2
S 登録拒否 登録申請について、連合会が登録しない判断をする。 6条の2第2項
  • 行政書士となる資格を有しない。 6条の2第2項
  • 心身の故障により行政書士業務を行うことができない。 6条の2第2項
  • 行政書士の信用又は品位を害するおそれがある。 6条の2第2項
  • 職責に照らし行政書士としての適格性を欠く。 6条の2第2項
6条の2第2項
A 判断者 登録するか拒否するかを決める主体。 6条、6条の2
  • 日本行政書士会連合会が登録事務を行う。 6条
  • 登録拒否には資格審査会の議決が必要。 6条の2第2項
  • 資格審査会は連合会に置かれる。 18条の4
6条6条の218条の4

3-3. 登録後に動く条文

場面流れ押さえ方
A 変更登録
  • 登録事項に変更があったら、遅滞なく変更登録を申請する。 6条の4
  • 申請は所属行政書士会を経由して連合会へ行う。 6条の4
新規登録と同じく、所属会を経由して連合会へ進む。 6条の2、6条の4
S 不正登録取消し
  • 不正の手段により登録を受けたことが判明した場合、連合会は登録を取り消さなければならない。 6条の5
  • 資格審査会の議決、理由付き書面通知が必要。 6条の5、18条の4
取消しは「できる」ではなく「取り消さなければならない」。 6条の5
A 登録抹消
  • 欠格該当、廃業届、死亡、不正登録取消し等では抹消しなければならない。 7条1項
  • 2年以上業務を行わない場合、心身の故障で業務ができない場合は抹消できる。 7条2項
必要的抹消と裁量的抹消を分ける。 7条
S 特定行政書士
  • 所定の研修を修了した行政書士は、特定行政書士である旨の付記を受ける。 7条の3
  • 特定行政書士だけが、一定の許認可等に関する不服申立代理を扱える。 1条の4第2項
登録そのものではなく、登録名簿への付記として理解する。 7条の3

4. 行政書士の義務

義務条文は罰則・懲戒と結びつきやすい。義務の強さを分けて覚える。

重要条文の骨格

10条: 行政書士は、行政書士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。

11条: 行政書士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼に応ずることを拒むことができない。

12条: 行政書士は、正当な理由がなく、その業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならない。行政書士でなくなった後も同じ。

13条: 行政書士は、所属行政書士会及び日本行政書士会連合会の会則を守らなければならない。

義務内容違反時の見方
A 事務所行政書士は業務用事務所を設ける。原則として2以上設けてはならない。使用人である行政書士等は事務所を設けてはならない。 8条単独行政書士と使用人行政書士を区別。 8条
A 帳簿事件名、年月日、報酬額、依頼者住所氏名などを帳簿に記載し、帳簿閉鎖時から2年間保存する。 9条違反は罰金対象。保存期間2年。 9条、23条
S 信用失墜禁止行政書士の信用または品位を害する行為をしてはならない。 10条懲戒の基礎になりやすい。 10条、14条
A 報酬掲示事務所の見やすい場所に報酬額を掲示する。会・連合会は報酬統計を作成・公表するよう努める。 10条の2依頼者保護・透明化。 10条の2
S 応諾義務正当な事由がなければ依頼を拒めない。 11条違反は罰金対象。拒否できるのは正当事由がある場合。 11条、23条
S 秘密保持業務上知った秘密を正当な理由なく漏らしてはならない。行政書士でなくなった後も同じ。 12条違反は刑罰対象で親告罪。 12条、22条
B 会則遵守所属行政書士会と日本行政書士会連合会の会則を守る。 13条会による統制。 13条、17条の2
B 研修所属会・連合会が実施する研修を受け、資質向上を図るよう努める。 13条の2努力義務。 13条の2

5. 行政書士法人

行政書士法人は、行政書士業務を組織的に行うための法人。個人行政書士と同じに見える部分と、法人特有の制限を分ける。

重要条文の骨格

13条の3: 行政書士は、行政書士法人(1条の3及び1条の4第1項(2号を除く)に規定する業務を行うことを目的として、行政書士が設立した法人)を設立することができる。

13条の5: 行政書士法人の社員は、行政書士でなければならない。

13条の6: 行政書士法人は、1条の3及び1条の4第1項(2号を除く)の業務を行うほか、定款で定めるところにより、総務省令で定める準ずる業務や1条の4第1項2号の業務を行うことができる。

5-1. 法人で特定業務を扱えるか

1 法人設立 行政書士が、行政書士業務を目的として法人を設立する。 参照: 13条の3
2 社員資格 社員は行政書士でなければならない。 参照: 13条の5
3 通常業務 1条の3、1条の4第1項のうち不服申立代理以外は法人の基本業務。 参照: 13条の3
4 特定業務 不服申立代理などは、定款と特定社員の有無を確認する。 参照: 13条の6
5 事務所常駐 特定業務は、特定社員が常駐しない事務所では扱えない。 参照: 13条の8
6 法人として実施 条件を満たす事務所で、法人業務として扱う。 個人の特定行政書士制度と接続
テーマ理解注意点
A 設立行政書士は、行政書士法人を設立できる。法人は行政書士法上の業務を目的とする。 13条の3社員は行政書士でなければならない。 13条の5
A 業務範囲法人は1条の3と1条の4第1項の業務を行うが、不服申立代理など特定業務は、行える社員がいる法人に限られる。 13条の61条の4第1項2号は特定行政書士と連動。 1条の4第2項、13条の6
B 社員・代表社員が業務執行権限を持ち、法人を代表する。定款等で代表社員を定める仕組みがある。 13条の12、13条の13会社法的な法人運営のイメージ。 13条の21
A 社員常駐事務所には社員を常駐させる必要がある。特定業務は特定社員が常駐しない事務所では扱えない。 13条の14、13条の15法人の多事務所運営で出やすい。 13条の14、13条の15
B 競業禁止社員は自己または第三者のために法人の業務範囲に属する業務を行うことが制限される。 13条の16法人への忠実性。 13条の16
B 解散・合併定款事由、総社員同意、社員欠亡、合併、破産、解散命令、懲戒解散などで解散する。合併には債権者保護手続がある。 13条の19、13条の20、13条の20の2細部は低優先。大枠を押さえる。 13条の19以下

6. 監督・懲戒

重要条文の骨格

14条: 行政書士が法令・規則・都道府県知事の処分に違反したとき、又は行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、都道府県知事は、戒告、2年以内の業務停止、業務禁止をすることができる。

14条の2: 行政書士法人については、主たる事務所所在地の都道府県知事が戒告、2年以内の業務停止、解散をすることができる。従たる事務所所在地の知事も、一定範囲で処分できる。

14条の3: 何人も、懲戒事由があると思料するときは、事務所所在地を管轄する都道府県知事に事実を通知し、適当な措置を求めることができる。

14条の4・14条の5: 重い懲戒では聴聞、連合会への通知、登録抹消制限、処分公告が問題になる。

6-1. 懲戒手続の流れ

1 懲戒事由 法令違反、知事処分違反、重大非行、法人の著しく不当な運営。 参照: 14条、14条の2
2 通知の入口 何人も、知事に事実を通知して措置を求められる。 参照: 14条の3
3 調査・検査 知事は報告徴収、立入検査、帳簿・関係書類の検査ができる。 参照: 13条の22、14条の3
4 聴聞 業務停止等の重い処分では聴聞が必要。通知は期日の1週間前まで。 参照: 14条の3第3項以下
5 処分 個人は戒告・2年以内停止・禁止。法人は戒告・2年以内停止・解散。 参照: 14条、14条の2
6 抹消逃れ防止 重い懲戒手続中は、一定の登録抹消が制限される。 参照: 14条の4
7 公告 処分後、知事は遅滞なく都道府県公報で公告する。 参照: 14条の5
8 欠格へ接続 業務禁止・一定の登録取消し等は、3年の欠格事由に接続する。 参照: 2条の2
対象監督・懲戒権者処分手続・注意
S 行政書士都道府県知事 14条
  • 戒告 14条
  • 2年以内の業務停止 14条
  • 業務禁止 14条
法令違反、知事処分違反、行政書士にふさわしくない重大非行。 14条
A 行政書士法人主たる事務所所在地の都道府県知事。従たる事務所については所在地知事も一定範囲で処分可能。 14条の2
  • 戒告 14条の2
  • 2年以内の業務停止 14条の2
  • 解散 14条の2
従たる事務所所在地知事の処分は当該従たる事務所に関する違反等に限る。 14条の2
A 何人も通知事務所所在地の都道府県知事 14条の3懲戒事由があると思料するとき、事実を通知し適当な措置を求められる。 14条の3通知があれば知事は必要な調査をする。 14条の3
A 聴聞都道府県知事 14条の3業務停止処分では聴聞が必要。業務禁止・法人解散も重い処分として手続が重要。 14条の3聴聞期日の通知は1週間前まで。審理は公開。 14条の3
B 立入検査都道府県知事 13条の22日没から日出までを除き、事務所に立ち入り、帳簿・関係書類を検査できる。 13条の22身分証携帯・提示。犯罪捜査ではない。 13条の22

7. 行政書士会・日本行政書士会連合会

組織役割試験での見方
A 行政書士会都道府県区域ごとに1個設立。会員の品位保持、業務改善進歩、指導・連絡を目的とする法人。 15条登録時に当然入会。事務所移転で当然退会・入会。 16条の5
B 会則名称、事務所、役員、入退会、会議、品位保持、会費、資産会計、研修などを記載する。 16条都道府県知事の認可が必要。 16条の2
A 連合会全国の行政書士会が設立。行政書士会・会員の指導連絡、行政書士登録事務を行う。 18条登録事務は連合会の重要機能。 6条、18条
A 資格審査会連合会に置かれ、登録拒否・登録取消し・一定の登録抹消について審査する。 18条の4登録拒否等には資格審査会の議決が絡む。 6条の2、18条の4
B 会・連合会の監督都道府県知事は行政書士会を、総務大臣は連合会を監督し、報告要求・勧告ができる。 18条の6誰がどの団体を監督するか。 18条の6

8. 業務独占・名称制限・罰則

重要条文の骨格

19条第1項本文: 行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として1条の3に規定する業務を行うことができない。

19条第1項ただし書: 他の法律に別段の定めがある場合、及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、一定の経験又は能力を有する者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。

22条: 秘密保持義務違反は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金。親告罪。

規制内容押さえ方
S 業務制限行政書士・行政書士法人でない者は、他人の依頼を受け、報酬を得て、業として1条の3の書類作成業務を行えない。 19条1項業務独占の対象は1条の3業務。例外として他法に別段の定め、一定の定型的・容易な電子記録作成がある。 19条1項ただし書
A 名称制限行政書士でない者は行政書士または紛らわしい名称を使えない。法人、会、連合会も同様。 19条の2名称独占。 19条の2、22条の4
S 秘密漏示罰行政書士や使用人等の秘密保持義務違反は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。親告罪。 22条12条・19条の3・22条をセットで見る。 12条、19条の3、22条
A 虚偽登録資格がないのに虚偽申請で登録させた者は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。 21条登録制度の信頼保護。 6条、21条
A 帳簿・応諾違反帳簿備付保存義務、依頼応諾義務違反は100万円以下の罰金。 23条義務条文と罰則を接続。 9条、11条、23条
B 両罰・過料業務制限違反、名称制限違反、法人の帳簿・検査拒否等には両罰規定があり、登記懈怠や法人合併手続違反等には過料が置かれる。 23条の3、24-26条刑罰、両罰、過料を区別。 21条以下、24条以下

9. 条文落ち防止インデックス

ここから先は参照用。条文名だけでなく、「その条文が何を決めているか」を一文で思い出せるようにする。薄い灰色の行は、条文落ち防止として存在だけ確認し、直前期は優先度を下げてよい条文。

1条-7条の4 総則・試験・登録
条文読まずに思い出す要点試験での見方
1 使命行政手続の円滑化、国民の利便、国民の権利利益の実現を行政書士の使命とする。令和7年改正で使命が明文化。
1の2 職責品位保持、法令・実務精通、公正誠実、デジタル社会を踏まえた利便向上・業務改善努力。理念条文だが義務体系の土台。
1の3 業務依頼・報酬を受け、官公署提出書類、権利義務書類、事実証明書類を作成する。行政書士業務の中心。業務独占とも連動。
1の4 付随業務等提出手続代理、許認可等の意見陳述手続代理、不服申立代理、契約書等の代理作成、書類作成相談を定める。不服申立代理は特定行政書士だけ。
1の5 使用人従事行政書士が他の行政書士または行政書士法人の使用人として業務に従事することを認める。開業形態の補足。
2 資格試験合格、他士業資格、公務員等の行政事務経験により行政書士となる資格を認める。資格と登録を区別。
2の2 欠格未成年、復権未了破産者、刑罰・懲戒等から3年未経過者などを欠格とする。3年制限が多い。
3 試験行政書士試験は総務大臣が定め、毎年1回以上、都道府県知事が試験事務を行う。試験事務は指定試験機関へ委任可能。
4 指定試験機関都道府県知事は総務大臣指定の法人に試験事務を行わせることができる。試験事務の外部化。
4の2 指定基準指定試験機関として試験事務を適正確実に実施できる基準を定める。指定の入口。
4の3 指定公示等指定試験機関の指定・変更等を公示する。透明化手続。
4の4 委任公示等都道府県知事が試験事務を委任した場合の公示等を定める。どの機関が試験事務を行うか知らせる。
4の5 役員選解任指定試験機関の役員の選任・解任について監督規定を置く。試験機関の人事監督。
4の6 試験委員試験問題作成・採点等を担う試験委員について定める。専門性確保。
4の7 秘密義務指定試験機関の役員・職員・試験委員等に秘密保持義務を課す。20条の2罰則と連動。
4の8 試験事務規程指定試験機関に試験事務規程を定めさせ、認可を受けさせる。試験事務のルール化。
4の9 事業計画等指定試験機関の事業計画・収支予算等の提出を定める。財務・運営監督。
4の10 帳簿保存指定試験機関に試験事務帳簿の備付け・保存を求める。試験事務の記録管理。
4の11 監督命令等都道府県知事が指定試験機関に必要な監督命令を出せる。外部委任しても監督は残る。
4の12 報告・立入指定試験機関に報告徴収・立入検査ができる。試験機関への監督手段。
4の13 休廃止指定試験機関が試験事務を休止・廃止する場合の手続を定める。勝手にやめられない。
4の14 指定取消し等指定試験機関の指定取消し・試験事務停止命令を定める。最終的な監督制裁。
4の15 委任撤回通知等都道府県知事が試験事務の委任を撤回する場合の通知等を定める。委任終了手続。
4の16 知事による実施指定試験機関が実施できない場合等に都道府県知事が試験事務を実施する。試験事務の継続確保。
4の17 引継ぎ等委任試験事務の引継ぎ等の細目を総務省令に委任する。手続細目。
4の18 審査請求指定試験機関がした処分等について審査請求の扱いを定める。指定機関の処分も争える。
4の19 手数料試験手数料の納付・帰属等を定める。試験事務の費用。
5 削除現行法では削除条文。条番号だけ残る。
6 登録行政書士になるには連合会の行政書士名簿に登録を受ける必要がある。登録は連合会が行う。
6の2 申請・決定登録申請は行政書士会経由で連合会へ。拒否には資格審査会議決、弁明機会、理由通知が必要。登録拒否手続が重要。
6の3 審査請求登録拒否等に対する審査請求を定める。登録手続の不服申立て。
6の4 変更登録登録事項に変更があった場合の変更登録を定める。住所・事務所等の変更。
6の5 登録取消し不正手段で登録を受けたことが判明した場合、連合会は登録を取り消さなければならない。不正登録は必ず取消し。
7 登録抹消欠格該当、廃業、死亡、取消し等で抹消。2年以上不業務等では抹消できる。必要的抹消と裁量的抹消。
7の2 証票返還登録抹消等の場合に行政書士証票を返還する。登録喪失の後処理。
7の3 特定付記所定研修修了者について行政書士名簿に特定行政書士の付記をする。不服申立代理の前提。
7の4 登録細目登録に関する細目を会則等に委ねる。低優先。
8条-14条の5 義務・法人・監督
条文読まずに思い出す要点試験での見方
8 事務所行政書士は事務所を設け、2以上設けてはならない。使用人行政書士等は事務所を設けられない。一人一事務所原則。
9 帳簿事件名、年月日、報酬、依頼者情報等を帳簿に記載し、閉鎖時から2年間保存する。23条罰則と連動。
10 信用失墜禁止行政書士の信用または品位を害する行為を禁止する。懲戒の基礎。
10の2 報酬掲示事務所の見やすい場所に報酬額を掲示し、会・連合会は報酬統計公表に努める。依頼者保護。
11 応諾義務正当な事由がなければ依頼を拒むことができない。23条罰則と連動。
12 秘密保持業務上知った秘密を正当理由なく漏らしてはならず、退職・廃業後も続く。22条罰則、親告罪。
13 会則遵守所属行政書士会と連合会の会則を守る。会による統制。
13の2 研修所属会・連合会が実施する研修を受け、資質向上を図るよう努める。努力義務。
13の3 法人設立行政書士は行政書士法人を設立できる。法人章の入口。
13の4 名称行政書士法人は、その名称中に「行政書士法人」という文字を使用しなければならない。法人名称の必須表示。
13の5 社員資格行政書士法人の社員は行政書士でなければならない。法人の人的基礎。
13の6 業務範囲行政書士法人の業務範囲を定め、特定業務は担当できる社員がいる法人に限る。特定行政書士と法人の関係。
13の7 登記行政書士法人は登記を必要とする。法人成立・公示。
13の8 設立手続行政書士法人の設立手続を定める。定款・登記の流れ。
13の9 成立時期行政書士法人は登記により成立する。法人は登記成立。
13の10 成立届出等法人成立後の届出等を定める。成立後の行政手続。
13の11 定款変更行政書士法人の定款変更手続を定める。法人運営。
13の12 業務執行権限社員が行政書士法人の業務を執行する権限を持つ。社員の権限。
13の13 法人代表社員が法人を代表する仕組みを定める。代表社員のイメージ。
13の14 社員常駐各事務所に社員を常駐させる規律を置く。多事務所法人で重要。
13の15 特定業務特定社員が常駐しない事務所では特定業務を扱えない。特定行政書士業務の場所制限。
13の16 競業禁止社員が自己または第三者のために法人業務と競合する業務を行うことを制限する。法人への忠実義務。
13の17 準用行政書士の義務規定等を行政書士法人に準用する。個人義務が法人にも及ぶ。
13の18 法定脱退社員が一定事由で当然に法人から脱退する場合を定める。社員資格喪失など。
13の19 解散定款事由、総社員同意、社員欠亡、合併、破産、解散命令、懲戒解散などで法人が解散する。解散事由の大枠。
13の19の2 継続一定の場合に行政書士法人の継続を認める。解散後の復活。
13の19の3 裁判所監督行政書士法人の解散・清算について裁判所の監督を定める。清算手続。
13の19の4 管轄解散・清算の監督事件の管轄裁判所を定める。低優先。
13の19の5 検査役解散・清算に関して検査役選任を定める。清算監督。
13の20 合併行政書士法人の合併を認め、手続を定める。法人再編。
13の20の2 債権者異議合併時に債権者保護手続を置く。会社法的手続。
13の20の3 合併無効合併の無効の訴えを定める。低優先。
13の21 準用等一般法人法・会社法の規定を行政書士法人に準用する。法人法制の借用。
13の22 立入検査都道府県知事は日没から日出までを除き事務所へ立入検査できる。身分証提示が必要で犯罪捜査ではない。監督権限の典型。
14 個人懲戒行政書士に法令違反等があると、知事が戒告・2年以内業務停止・業務禁止をできる。処分3種類を覚える。
14の2 法人懲戒行政書士法人に違反等があると、知事が戒告・2年以内業務停止・解散をできる。個人は業務禁止、法人は解散。
14の3 懲戒手続何人も懲戒事実を知事に通知でき、知事は調査する。業務停止等では聴聞、審理は公開。公開聴聞が重要。
14の4 抹消制限等懲戒手続中の登録抹消等を制限し、懲戒逃れを防ぐ。逃げ得防止。
14の5 懲戒公告懲戒処分をした場合の公告を定める。処分の公表。
15条-26条 会・連合会・雑則・罰則
条文読まずに思い出す要点試験での見方
15 行政書士会都道府県ごとに1個設立し、会員の品位保持・業務改善・指導連絡を目的とする法人。区域ごとに一会。
16 会則行政書士会の会則記載事項を列挙する。入退会・研修・会費など。
16の2 会則認可行政書士会の会則変更等には都道府県知事の認可が必要。会への行政監督。
16の3 会の登記行政書士会の登記を定める。法人公示。
16の4 会の役員行政書士会の役員に関する規律を置く。組織運営。
16の5 行政書士入退会登録時に当然入会、事務所移転で当然退会・入会、登録抹消で当然退会。強制加入と当然移動。
16の6 法人入退会行政書士法人の行政書士会への入会・退会を定める。法人も会に属する。
17 報告義務行政書士会が会員等について一定事項を報告する義務を定める。会と監督庁の情報連携。
17の2 注意勧告行政書士会が会員に注意勧告できる制度を置く。会内部の自律的監督。
18 連合会全国の行政書士会が日本行政書士会連合会を設立し、指導連絡と登録事務を行う。登録事務は連合会。
18の2 連合会会則連合会の会則記載事項を定める。全国組織のルール。
18の3 削除現行法では削除条文。条番号だけ残る。
18の4 資格審査会登録拒否・登録取消し・一定抹消を審査する資格審査会を連合会に置く。登録拒否等の前提。
18の5 準用行政書士会に関する規定を連合会に準用する。組織規定の準用。
18の6 監督都道府県知事は行政書士会を、総務大臣は連合会を監督し、報告要求・勧告ができる。監督権者の区別。
19 業務制限非行政書士は、依頼・報酬を受け業として1条の3業務を行えない。業務独占の中心。
19の2 名称制限非行政書士等は行政書士・行政書士法人・行政書士会等と紛らわしい名称を使えない。名称独占。
19の3 使用人秘密行政書士・法人の使用人等にも秘密保持義務を課し、退職後も続く。22条罰則と連動。
19の4 資質向上援助国・地方公共団体等が行政書士の資質向上に必要な援助に努める。政策的支援条文。
20 省令委任法律施行に必要な事項を総務省令に委任する。低優先。
20の2 試験秘密罰指定試験機関関係者等の秘密保持義務違反を1年以下拘禁刑または50万円以下罰金に処する。4条の7と連動。
20の3 停止命令違反指定試験機関が試験事務停止命令に違反したとき、役員・職員を罰する。4条の14第2項と連動。
21 虚偽登録罰資格がないのに虚偽申請で行政書士名簿に登録させた者を罰する。1年以下拘禁刑または100万円以下罰金。
21の2 業務制限違反非行政書士が報酬を得て業として1条の3業務を行うなど、19条1項違反を罰する。業務独占違反の罰則。
22 秘密漏示罰行政書士・使用人等の秘密保持義務違反を罰し、親告罪とする。最重要罰則。
22の2 不正採点試験委員が不正の採点をした場合を30万円以下の罰金に処する。4条の7第2項と連動。
22の3 指定試験機関違反指定試験機関の帳簿不備、虚偽記載、報告拒否・虚偽報告、立入検査拒否、無許可廃止等を罰する。指定試験機関監督の実効性。
22の4 名称制限違反行政書士・行政書士法人・行政書士会等の名称使用制限違反を罰する。19条の2と連動。
23 帳簿・応諾罰帳簿義務または応諾義務違反を100万円以下の罰金に処する。法人の場合は社員を罰する。9条・11条と連動。
23の2 電子公告・立入検査違反法人合併関係の電子公告調査記録不備等、または行政書士・法人への立入検査拒否等を罰する。13条の20の2、13条の22と連動。
23の3 両罰規定法人等の従業者が業務に関して業務制限違反、名称制限違反、帳簿・応諾違反、立入検査拒否等をした場合、行為者のほか法人等にも罰金刑を科す。法人にも責任が及ぶ。
24 登記懈怠過料行政書士会・連合会が登記を怠った場合、代表者に30万円以下の過料。会・連合会の過料。
25 法人合併等過料行政書士法人の合併関係で報告拒否等がある場合、100万円以下の過料。法人手続の過料。
26 法人社員等過料行政書士法人の登記懈怠、合併手続違反、会計帳簿・貸借対照表不備、破産申立懈怠、清算中の財産処分違反等に過料を科す。行政書士法人の社員・清算人に対する秩序罰。

基準資料: プロジェクト内の行政書士法XML。現行法確認としてe-Gov法令APIの法令ID 326AC1000000004 を参照。