2023年版 CCIE再認定に向けて

コンピューター

CCIEの更新期限が半年を切ったので、再認定に向けての準備を進めることにしました。本記事ではCCIEの再認定に必要な要件を整理しつつ、更新の私なりの戦略をまとめたいと思います。
これらの戦略はCCIEに限らず、CCNAやCCNPにも有効ですので、そういう方にも参考になればと思います。

概略

CCIEとは

CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)は、Cisco社が提供するネットワーク技術者のスキルを評価する認定資格のことです。 CCIEは、ネットワーク技術者のスキルを検証し、確実な技術レベルを持つことを証明することができます。

CCIE Enterprise Infrastructure 認定とトレーニングプログラム

再認定要件

再認定ポリシーに以下の記載があります。

前回の更新までは、CCIEの筆記試験に合格するだけで良かったのですが、今回はいくつか方法があるようです。特徴的なところは、従来のCCIE筆記試験に置き換わるものとしてCCNP相当の試験(テクノロジーコア・プロフェッショナル コンセントレーション)が準備されていること、新たに登場したCEクレジットを獲得することで(または筆記試験と組み合わせて)再認定が受けられるというところでしょうか。
このCEクレジットを正しく理解して再認定のための戦略を立てることが、今回のポイントになりそうです。

戦略

ということで戦略を立ててみました。
CCIEの再認定を行うためにまずはお金をかけたくないという考えがあります。そのため、可能な限り無料の教材を取得することにしました。また、新しい知識を習得したいという考えもあります。そのため、Cisco DevNetのコースを受講することで、新しいネットワーク技術を学ぶことにしました。

目標 戦略 獲得予定クレジット
極力お金をかけたくない   可能な限り無料の講習を受講する      76
新たな知識を習得したい Cisco DevNetの講習を受講する  48

この戦略がうまくいけば、獲得予定のクレジットが124クレジットになるので、CCIEの再認定要件(120クレジット)を満たすことができます。

DevNetの講習は、99$/月(現在セール中で通常は199$/月)の手出しが必要になりますが、筆記試験を受けるよりも遥かに安価であること、新たな知識の獲得がそれほど見込めないこと、試験対策に注力する時間、不合格時の金銭的・精神的ダメージを考慮すると、断然こちらの方が良いと判断しました。

DevNetの知識を今後使う可能性があるかは分かりません。今の所その見込みがないのが現状です。一方、ここ数年プログラミングやソフトウエア開発に興味が出てきており、Pythonを中心にコーディングやソフトウエア開発の手法について学んできているため、本講習を受講することで、元々の専門であるネットワークインフラの領域と、興味があるアプリケーションやプログラミングの領域を融合し、新たな領域を獲得できるのではないかと期待しています。

無料の講習を受講する

講習はContinuing Education ProgramItem Catalogから検索して受講することができます。
ネットに転がっている先人の情報や講習のリンクを片っ端から検索した結果、以下の項目がヒットしました。
(2023年2月現在 合計76 クレジット)
残念ながら無料の講習だけでは CCIEの再認定要件である120クレジットを取得することはできません。期間限定の講習もあるので、長期間でみると120クレジット取得できるかもしれません。

Item Name Credits Cost Memo
Rev Up To Recert: Enterprise 15 0 2023/01/31 – 03/02まで
Securing Branch Internet and Cloud Access with Cisco SD-WAN (A-SDW-BRSEC) 11 0
Planning and Deploying SD-Access Fundamentals (for Customers) (CUST-SDA-FUND)v1.0   12 0
The SD-WAN Mastery Collection – Bringing Up The Control Plane Devices – For Customers (A-SDW-CTRPLN) 2 0
The SD-WAN Mastery Collection – Managing the Application Experience – For Customers (A-SDW-APPEXP) 6 0
The SD-WAN Mastery Collection – Deploying The Data Plane- For Customers (A-SDW-DATPLN) 6 0
The SD-WAN Mastery Collection – Getting Started – For Customers (A-SDW-START) 6 0
The SD-WAN Mastery Collection – Deploying The Overlay Topology – For Customers (A-SDW-OVRLAY) 5 0
Cisco DNA Center Fast Start Use Cases (A-SDA-FASTSTART) 5 0
CUST-SDA-ISE – Preparing the ISE for SD-Access (for Customers) v1.0 Earned Cisco Digital Learning 4 0
Getting Started with DNA Center Assurance (A-DNAC-ASSUR) v1.0 4 0

講習は全て英語で、動画を見ながら学習を進めていきます。動画内で使用しているPowerPointも閲覧可能ですが、この資料だけで内容を理解できるようなものではありません。
各講習にはテストが準備されているので、それに合格することで完了となります。その後、Continuing Education ProgramSubmit Itemsで必要情報(Certificarte IDや合格証書など)を登録することでCE クレジットを取得することができます。

現在無料で取得できるCE クレジットは 76クレジットのようです(私調べ)。無料の講習で40クレジットだけ取得し、テクノロジーコア試験で80クレジット取得するというのも戦略としてはありだと思います。
また、残念ながら80クレジットにはわずかに到達できないので、「無料の講習 + プロフェッショナル コンセントレーション試験」で120クレジットに達するという戦略はできません。今後、無料の講習が追加されるとか、私が見つけられていない講習(またはその他の手法)があるかもしれないので、注意深く確認してみてください。

私の場合は、DevNetの講習で48クレジットの獲得を予定していますので、無料の講習は72クレジット取得すれば良いということになります。(殆ど全てですね)
#ネットで無料で獲得できるCEクレジットの上限は70ポイントまでという書き込みを見つけました。実際に70ポイント以上取得してみて事実か否かを確認予定です。事実であれば戦略の変更が必要ですね。

Cisco DevNetの講習を受講する

DevNet Associate Fundamentals Courseを受講することで48クレジット取得できるようです。
受講するには99$/月(現在セール中で通常は199$/月)必要になります。

Cisco DevNetとは、Cisco社が提供する開発者向けプラットフォームです。 Cisco DevNetは、ネットワーク環境やサービスを管理するためのツールやライブラリ、APIを提供しています。また、Cisco DevNetを使用することで、ネットワーク技術者が最新のネットワーク技術を学ぶことができます。 Cisco DevNetを使用することで、ネットワーク技術者が確実な技術レベルを持つことができます。

ということで、受講してみました。Pythonの基礎からスタートし、ドキュメントを読んでコードを書いて動作を確認する作業の繰り返しです。元々Pythonの知識を持っていたので、課題に取り組むのは比較的スムーズでした。
目標の48クレジットを1ヶ月未満で達成できたので、翌月からの更新は見送りました。ただ、得た情報の整理や確認も考慮すると、もう1ヶ月契約を続ける方が良いかもしれないと感じました

まとめ

今回立てた戦略を実行することで、無事CCIEの再認定を受けることができました。課題をクリアするための「情報収集」、「戦略の立案」、「戦略の実行」が今回は割とうまくいったと思います。
再認定の方法として、従来のWritten試験の再受験と比べて、以下の点が優れているように感じました。

  • 費用が低いこと(今回は99ドルの費用)
  • 試験のプレッシャーから解放されること(不合格時の再受験でコストが倍増するため)
  • 試験の内容に縛られず、試験対策に費やす時間を削減できること
  • オンライン受講が中心なので時間のコントロールがしやすい
  • 新たな知識を習得する機会が増えること

従来の方法も選択肢として残されていますので、各自が適切と思う方法で再認定を目指すことができます。ただし、これらの理由から私の経験からは今回紹介した方法をおすすめします。

また、今回受講したコースのほとんどは、SDX技術やPythonを用いたプログラミングによるネットワーク機器の構成・管理が中心でした。CCIEを受験した当初のルーティングとスイッチングに特化した(勉強したての頃はFrame Relayも含まれていたような)時代と比べると大きな変化です。私の周囲ではまだそのような大きな変化は見られませんが、遠くない未来にそのような時代が来ることは十分感じていますので、それを踏まえてスキルシフトを進めていきたいと考えています。(5年ほど前にも同じようなことを考えたことがありますが。)

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